筋トレクエスト

筋トレ好きな理学療法士が運動や栄養など体にまつわる様々なことを発信していく

身体のエネルギー「糖質」について知ろう

 

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糖質とは何?

 

最近、糖類オフや糖質オフといった飲料が発売されたり、糖質制限や炭水化物抜きダイエットなどという言葉が流行ったりしています。しかし、この「糖類」「糖質」「炭水化物」の違いはご存知でしょうか。

「糖類」とは、単糖類もしくは二糖類といわれる分子の小さい糖です。代表的なものとして、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)やショ糖(スクラロース、いわゆる砂糖)があります。「糖質」は糖類に加え、さらに分子量の多い多糖類や糖アルコールを含んだものを指します。例えば、マルトデキストリンやデンプンがこれにあたります。「炭水化物」は、人が消化吸収できる「糖質」に加え、消化できない「食物繊維」を含んだものの総称です。

 

 

2015年に世界保健機関(world health organization 、WHO)が、以下のガイドラインを発表しました。

 

「糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満にすべきである。5%未満に減らすことができれば、さらなる健康効果ご期待できる」

 

WHOのガイドラインは、ブドウ糖や砂糖などの糖類(厳密にいえば蜂蜜やシロップ、フルーツジュースなど)を減らすように言っています。

インターネット上では、「WHOはご飯の摂取量を減らすべきと勧告している」という記事やコメントも見られていますが、言葉の意味を知っていれば間違っていることが分かると思います。

 

 

運動時における糖類の重要性

 

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 三大栄養素のうち、たんぱく質は骨格筋をはじめとする体づくりの材料として主に利用されるのに対し、糖質と脂質はエネルギー源として利用され、運動時にはその利用量が著しく増加します。糖質は、生体内では血液中の血糖もしくは肝臓と骨格筋へグリコーゲンという状態で貯蓄されていますが、これらの貯蔵量は脂肪に比べるとはるかに少ないです。多く見積もっても約2000kcal程度であるといわれています。

 グリコーゲンとは、動物における貯蔵多糖として知られ、動物デンプンとも呼ばれます。グリコーゲンは肝臓と骨格筋で主に合成され、余剰のグルコースを一時的に貯蔵されます。糖分の貯蔵手段としてはほかに、脂肪とアミノ酸という形によるものがあります。 脂肪酸という形でしかエネルギーを取り出せない脂肪や、合成分解に窒素代謝の必要なアミノ酸と違い、グリコーゲンは直接ブドウ糖に分解できるという利点があります。 

 マラソンのように運動時間が1時間を超える運動では、その後半になるとペースが落ちることがあります。もともと貯蔵量の少ない体内のグリコーゲン、特に骨格筋のグリコーゲンが減少、枯渇するからだと考えられます。そのため、マラソンや筋トレなどを長時間する時には、運動前と運動中に糖質を十分摂取することがパフォーマンス向上にとって重要となります。

 

 

必要な摂取量は?

 

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 厚生労働省が、「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」を発表しています。例えば一日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、50~65%に相当するエネルギー量は1,000~1,300kcal。一日に250~325gの炭水化物を摂取することが望ましいことになります。

 運動の目的は人によって様々であるが、健康増進が目的であれば、厚生労働省の発表している基準に沿って、栄養摂取量を見直すのが良いかと思われる。また、ハードに運動する人であれば、アスリートのための基準もあるため参考にすると良い。