筋トレクエスト

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アスリートのための糖質摂取に関するガイドライン

参考までに。

 

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 アスリートはトレーニングプログラムに必要なエネルギー源となる栄養素を必要量摂取し、筋グリコーゲンの貯蔵量を回復させることを目的に、適切な糖質摂取を行うべきです。 一般的な摂取の目安を示したが、選手個々の1日のエネルギー必要量、トレーニングでの エネルギー必要量やパフォーマンスの状況などによって調整するべきです。

 

○運動後、すばやく(4時間以内)回復するために:1~1.2g/kg体重/時間

 

○回復期間が1日の場合:継続時間が中程度で低強度のトレーニング後;5~7g/kg体重/日

 

○回復期間が1日の場合:中~高強度の持久性運動:7~12g/kg体重/日

 

○回復期間が1日の場合:かなりハードな運動(運動時間4~6時間/日以上):10~12 gまたは12g/kg体重/日以上

 

 たんぱく質やほかの栄養素は、糖質を摂取するのとは異なる過程でグリコーゲンの回復を助けます。たとえば、たんぱく質であればエネルギー源となる糖質の摂取が少ない場合、あるいは補食を適度に摂取できない場合に筋グリコーゲンの回復に寄与すします。そこで、回復期の食事および間食には糖質を含み、ほかの栄養素も含む食品を選択する必要があります。また、糖質源となる食品にほかの食品を加えることを勧めます。
 運動の休息時間が8時間未満のときは、休息時間に可能な限り筋グリコーゲンを回復させることを目指し、運動終了後できるだけ早く糖質を補給することが大切です。運動後速やかな筋グリ コーゲン回復には、数回の補食を利用して糖質の摂取量を上記の目安量に近づけることが望ましいです。
 比較的長時間(24時間)における筋グリコーゲンの回復の場合、糖質の摂取量を上記の目安に近づけるために、選手個々の食生活において現実的かつ快適な方法で糖質の多い食事 や食品の摂取を行うと良いです。また、液体、固体といった食品の形態による筋グリコーゲン 回復の差は認められていません。
 グリセミック・インデックスが高~中等度の食品は、筋グリコーゲン合成のための糖質と して利用されやすいため、運動後における回復期の糖質源としてこれらの食品を摂取すべきです。
 最適な筋グリコーゲンの回復のためには、十分なエネルギー補給が不可欠です。特に女子選手にみられるようなエネルギー摂取量を制限している場合、上記の目安量では筋グリコーゲンを回復させることが難しくなります。

 

注意点:

 糖質のガイドライン(エネルギー源となる栄養素全て)は、エネルギー比率で示すべきではありません。エネルギー比率でのガイドラインは、かえって扱いにくく、筋でエネルギーとして利用される絶対量を示すものではありません。

 回復期には過度のアルコール摂取をするべきではありません。食事がおろそかになり、上記の糖質摂取の目安量がとれなくなるからです。アスリートは常に分別のあるアルコール摂取をするべきであり、特に運動後の回復期には気をつけたいところです。

( Burke LM, Kiens B, Ivy JL.:Carbohydrates and fat for training and recovery. J Sports Sci.22 (1),pp15-30, 2004.)