筋トレクエスト

筋トレ好きな理学療法士が運動や栄養など体にまつわる様々なことを発信していく

現代人は運動不足だ。

現代人は運動不足だ。これはそんな運動不足なあなたの健康を守るためのブログだ。

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世界で毎年推定200万人が運動不足が原因で亡くなっている。

 

 何百年も前の人と比べると,現代人のほうが健康で長生きである。現代の生活は科学技術の進化によって様変わりし,仕事がずいぶん楽になった。医学は病気との闘いにおいて大きく前進し,人々の健康状態は概してよくなっている。しかし、皮肉な結果も生じている。

 現代の科学技術は人類の健康増進に役立ってきた。しかし、人類に座ることの多いライフスタイルをもたらした。アメリカ心臓協会が出版した「心臓血管疾患の国際統計」には、「経済の変遷、都市化、工業化、グローバル化によるライフスタイルの変化で,人々は心臓病になりやすくなっている」とあり、「運動不足と不健康な食生活」が危険因子とされている。

 

運動不足で何がいけないのか?

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 身体を動かすことが大幅に減り、多くの身体的、精神的、感情的な問題が生じている。英国の保健機関は「活発に動かない子どもは自尊心が低く,不安感が強く,ストレスが大きくなりやすい。そうした子どもは,活発な子どもと比べてたばこや薬物を使用する可能性も高い。あまり体を動かさない従業員は,よく体を動かす従業員よりも欠勤が多い。運動をしないと,晩年に日常の活動を行なう体力や柔軟性が失われる。その結果、自活できずに精神的にも不健康になる人が多くなる」と報告している。

 

 カナダ・フィットネス・ライフスタイル研究所の所長コーラ・クレーグは、「カナダ人は仕事で体を動かすことが以前と比べてずいぶん減った。……全体的に見て、身体活動が減少している」と述べている。グローブ・アンド・メール紙は、「カナダ人の約48%は太り過ぎで、そのうち15%は肥満である。さらに、大人の59%が座りがちの生活をしている。」クオピオ大学のマッティ・ウーシツパ博士は,「肥満および座っていることの多いライフスタイルが増えているため,世界中でII型糖尿病が急増している」と警告している。

 ウォールストリート・ジャーナル紙によると「栄養不良が広く見られる地域も含め、地上のすべての大陸で、太り過ぎあるいは肥満の人の数が驚くべき速度で増えている。主な原因は、米国で肥満症の原因となっているのと同じ、高カロリーの食事と座りがちの生活という組み合わせである」。カロリンスカ研究所の教授ステファン・レスナー博士「世界で肥満が増加していない国はない」とさえ述べてる。

 

運動不足は世界的な問題だ

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 明らかに、適度な運動を計画的に行なうことが健康に不可欠だ。運動不足の危険が広く報道されても、大半は運動不足である。世界心臓連合は,世界人口の60%から85%、「特に女性は健康が増進するほどの運動をしていない」と見ており、「子どもの3分の2も健康のためにもっと体を動かす必要がある」と述べている。米国では大人の約40%が座ってばかりで運動をしておらず、12歳から21歳までの若者の約半数が激しい運動を定期的に行なっていない。

 ヨーロッパの15か国で座っていることの多いライフスタイルについて調査された。結果、体をあまり動かさない人の割合は最も低くてスウェーデンの43%、最も高くてポルトガルの87%であることが分かった。ブラジルのサンパウロでは人口の約70%が座ってばかりで運動をしていない。世界保健機関(WHO)は「世界各地から集まった健康調査に関するデータは,驚くほど似通っている」と報告している。

 

 


こんな生活を続けていたらどうなるか?

 

 2016年厚生労働白書によると、男性の平均寿命は80.98歳で女性は87.14歳。対して健康寿命(自立した生活ができず介護が必要となる年齢)の平均は男性72.14歳、女性74.79歳となっている。この差は、平均で男性は8.84年、女性は12.35年と、およそ10年もの間、病院や施設などで介護されて過ごすことを意味している。

 自由に活動ができない10年間を想像できるだろうか。楽しみにしていたことを諦め、自由に買い物も行けなくなり、自宅にこもりがちな生活になってしまうだろう。いずれ体をベッドから起こすこともできず、寝たきりの生活となってしまっては、何も楽しみを見いだせないだろう。

 今の平均寿命は、肉体労働中心だった時代の高齢者の寿命が反映されている。運動不足な現代人が年を取ったらどうなるか?平均寿命は医学の進歩により飛躍的に伸びるだろう。しかし健康寿命との差は広がってしまうだろう。そうなれば、自由に動けない日々が増え、生きるのが苦痛になることはもはや避けられない。

 

 

運動しよう!未来のために!